『結婚生活を支える真の土台』
恋愛中ののぼせ上がった状態を愛であると思ってはなりません。
恋に落ちる体験は、ほとんどの場合が感情に支配されているため、その時相手に対して抱いている思いを愛だと勘違いしやすいのです。
そのような幻覚から目覚めて、相手と真正面から向き合って愛する努力をしていかなければなりません。
だとすると、結婚生活を支える真の土台は「愛」なのでしょうか?
確かに「愛が一番大切だ!」「愛さえあれば他に何もいらない!」と考える人は多くいますが、相手を愛する気持ちを持つ前に、もう一つとても大切なことを聖書は教えています。
それが、キリストに対する畏れを持つことです。
聖書は、人間関係について語る時に、お互いに愛し合う前に、まず神さまと向き合い、神さまを愛することについて教えています。
エフェソの信徒への手紙の5章に、夫と妻の関係について書かれています。
そこでパウロは、夫婦とは愛し、仕える関係であると語っていますが、本論に入る前に語られている言葉があります。
キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。(エフェソ5:21)
エフェソ書では、夫と妻の関係(5:22-33)の後に、子供と親の関係(6:1-4)について、そして、奴隷と主人の関係(6:5-9)について書かれています。
この3つの関係は、どれも家庭における人間関係について語られているところです。
パウロが家庭の人間関係について語る時に、そのどの関係にも共通する最も大切な言葉を初めに語っています。
それこそが「キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい」という言葉です。
互いに仕え合うためには、キリストに対する畏れを持たなければなりません。
それがあって初めて、健全に愛することや仕え合うことができるようになるのです。
これは、家庭内の人間関係に限ったことではないでしょう。
職場や学校の人間関係、友人同士の関係など、あらゆる人間関係においてお互いに仕え合う関係を築くためには、キリストに対する畏れを持つことが大切です。
夫婦同士の関係も、お互いを愛することから始めるのではなく、それぞれが神さまを見上げることから始まっていくのです。
健全な夫婦関係は、夫と妻がそれぞれ「キリストに対する畏れ」を持つことから始まる!